赤坂氷川神社 茅の輪づくりWS

DSC_0024.jpg


神社が中心となるコミュニティ


江戸七氷川筆頭、「赤坂氷川神社」とのプロジェクト
=========================================

*先月5月28日(日)に行われた、神社初のワークショップのレポートです。
 先ずは告知文から。

++++    ++++    ++++    ++++    ++++    

◎毎年6月30日に行われる「夏越しの大祓え」に因んで、大きな茅の輪くぐりの「輪」の製作をお手伝い

| 赤坂氷川神社は、古い書物によるとその起源は951年とされ、その後、
|江戸時代幕府の尊信が篤く、1730年、吉宗公の治世に現社殿が造営され
|たという歴史と謂(いわ)れのある神社です。

| 赤坂氷川神社では、戦災を免れ、保存されていた江戸型山車(だし)の
|復刻を行い、文化の伝承や地域コミュニティでの神社の役割を積極的に問
|いなおそうとしています。9月には隔年で開催している山車と神輿の連合
|渡御(とぎょ)も行われ、その準備を進めています。宮司(ぐうじ)及び
|禰宜(ねぎ)の熱意を受け「赤坂氷川ともえ会」が作られました。僕も発
|足メンバーとして、関わらせていただいています。
| こちらでの僕の仕事のひとつは、いくつかある年間行事と関連したワー
|クショップの企画。とくに稲作儀礼を中心とした神社の行事を、ものをつ
|くるとか、謂れを知るとかいうことを通して、ひもといていきたいと思っ
|ています。ちょっと掘ればそこにはこの風土で生きている人々の心が見つ
|かります。

| 最初のワークショップは毎年6月30日に行われる「夏越しの大祓え」に
|因んで、神社の皆さんや庭師さんとともに、大きな茅の輪くぐりの「輪」
|の製作をお手伝いしながら、「大祓え」はそもそもどうして行うのか? 宮
|司さんが唱える祝詞(のりと)では一体どんなことをお願いしているの
|か? どうして茅(かや)をつかうのか? など、皆さんと学べればと思い
|ます。

|日程は6月30日(火)が「夏越しの大祓え」の当日ですので、その前の週
|末の6月28日(日)を予定しています。詳細は赤坂氷川神社のHPで。


*神社という場所がかつてそうだったように、コミュニティの核となって、
人と自然の経路が開かれて行くといいなと思っています。


赤坂氷川神社
東京都港区赤坂6-10-12
Tel. 03-3583-1935
http://www.akasakahikawa.or.jp/


*また、東大駒場Ⅱキャンパスでも先端科学技術研究センターの先生方や
近隣の皆さんとともに「こまみどりプロジェクト」という活動をはじめて
います。先日の5月29日に第2回目を行いました。
3回目は十月三十一日に決定。


学校園
http://www.r-school.net/program/workshop/_for_kids_2.html
http://www.r-school.net/program/workshop/post_433.html

東大「こまみどりプロジェクト」
http://komamidori.org/index.html


***告知内容********************************

赤坂氷川神社のサイトより
 「茅の輪」を作ろう!

  6月28日(日)午後1時~午後4時
   代替日(28日が雨天予報の場合):6月27日(土)
 『夏越の大祓式』(6/30 17:00斎行)の「茅の輪」、この輪を製作しませんか?

 ◆茅の輪くぐり…輪をくぐることで、罪穢を取り除き心身共に清々しくなるよう祈念します。

  ・参加費:無料 ※但し、「ともえ会」入会者及びそのご家族
  ・午後1時に神社社務所へご集合ください。
  ・茅(ちがや)は手を切りやすいので、長袖着用の上、ご参加ください。
  ・お子様には小さい茅の輪も作っていただき、ご自宅にお持ち帰りいたただけます。
  ※当日は、正式参拝をはじめに執り行います。

  ご参加いただけます方は info@akasakahikawa.or.jp までご連絡下さい。
 「茅の輪くぐり」の起源は、『備後風土記』に以下のような話で見ることができます。
 神代の昔、「武塔(ぶとう)神」(=素盞嗚尊)が、南海の方にお出かけしたとき、一夜の宿を「蘇民将来(そみんしょうらい)」と「巨且将来(こたんしょうらい)」という兄弟に求められました。弟の巨且将来は裕福であるにもかかわらず、それを拒みましたが、兄は貧しいながらも、粟がらの座を造ったり、粟飯を出すなりして、精一杯のおもてなしをしました。
 それから年月が経ち、武塔神は再び蘇民将来の家を訪れ、「もし天下に悪疫が流行したら、”ちがや”で輪を作り、これを腰に着けていれば災いを免れるであろう」と教えました。間もなく、天下に悪疫が流行し、人々は次々に病に倒れ、亡くなった人は数知れない程でありましたが、蘇民将来の家のみは何事も無く無事であったといわれています。
 これ以来、人々は悪疫の流行る時には「蘇民将来の子孫」と言って、茅輪を家に掛けると災難を免れることができると言い伝えられています。

*****************************************

 沢山ある行事の一つですが、知りたいと思えば、調べても調べ尽くせない事柄がどっさりと出てきます。
 今回とてもよかったのは、宮司さんが権禰宜の若い神社のスタッフに講義の内容を調べさせ、話しをさせたこと。大きな茅の輪を毎年つくって下さり、神社の境内の手入れもずっと続けて下さっている造園屋さんがとても協力的だったこと、なにより拝殿で大きな声で大祓詞を皆で詠めたということは神社でなければ出来ないことでした。氷川神社さんの熱意がやはり色んな人を動かしたのだと思います。


◎僕がやりたかったこと、これからも大事にしたいことはーー
 +実際に手や身体を動かすこと。
 +祝詞を声を出して一緒に読んでみること。(拝殿で神様に向って)
 +祝詞の意味を知ること。
 +行事の由来を知ること。
 +神話に登場する神様に興味を持つこと。
 +神社という「場」にいることで想起される体感を大事にすること。


ーということで、当日の様子をレポートします。


kaya%20.jpg

茅(かや)、ここでは芒(すすき)です。3000本から4000本!使います。
茅の仲間はイネ科を中心にとても多い。茅についてはいずれ何処かで記述します。

%E8%8C%85%E3%81%AE%E8%BC%AA%EF%BC%91.jpg
竹を割って束ねてまず土台を作りました。そこに茅を巻いていきます。
%E8%8C%85%E3%81%AE%E8%BC%AA%EF%BC%92.jpg
どんどん重ねられる茅。結構な重さになります。
%E8%8C%85%E3%81%AE%E8%BC%AA%E8%A3%BD%E4%BD%9C%E8%A7%A3%E8%AA%AC.jpg
茅の輪の作り方の説明が庭師の星野さんよりありました。茨城まで採りにいくそうです。都心ではお月見に使おうとしても見つけるのに一苦労。茅はよく切れるので扱いには注意が必要。
%E3%81%8A%E6%89%8B%E4%BC%9D%E3%81%84.jpg
皆で少しでもお手伝い。軍手をして、皆で汚れたところや絡まった蔓などを取り除いて、庭師さん達に渡しました。子ども達が自分で積極的にやってくれました。あとでチクチクする人もいましたが、それも自分でやらないと分からないことですね。
%E5%B2%A1%E6%9C%AC%E5%90%9B%E6%95%99%E3%81%88%E3%82%8B.jpg
蘇民将来の説話に因んで小さな茅の輪も作りました。さっき大きな茅の輪に使った、茅をお裾分けしてもらって、少しアレンジしました。
%E7%A5%9E%E6%8B%9D%E8%A9%9E%E5%A5%8F%E4%B8%8A.jpg
拝殿で神様に向って大きな声で大祓詞を詠み上げました。作った小さな茅の輪を清めます。声を出して詠むと、身体で響きを感じます。とても森厳とした気持ちになります。
%E8%8C%85%E3%81%AE%E8%BC%AA%E8%A8%AD%E5%96%B6.jpg
雨が降り出しました。 いよいよ鳥居に取り付けます。
%E8%8C%85%E3%81%AE%E8%BC%AA%E5%8F%96%E3%82%8A%E4%BB%98%E3%81%91%EF%BC%92.jpg
4人掛かりで引き揚げて、力技ですね。鳥居にぴったり。これだけ大きいと歪まないようにするのも技術ですね。
%E5%AE%8C%E6%88%90.jpg
設営完了。あちらとこちらという境界が生まれました。


*参道はよく「産道」と見立てられます。産道を通って、この大きな輪という境界をくぐることで生まれ変わるのですね。

 最後に降った雨も、穢れを流すと言う意味ではなにやら神秘的でした。
 最初にもありましたが、氷川神社さんの「氷川」は出雲大社の「斐伊川」が元。
 須佐之男命が祀られています。須佐之男命といえば、八岐大蛇、草薙の剣、因幡の白ウサギなど沢山の説話を持ちます。
 この神様も調べていくと、色々おもしろいです。今回の蘇民将来の説話では牛頭天王と名前を変えていたり、神社のHPでは「武塔(ぶとう)神」となっています。色んな名前を持っています。神仏習合ということもあったでしょう。
 大祓詞に登場する穢れを祓う神様たちのことも、形代の意味するところも、茅をどうして使うのかということも、どうしてくぐるのか、またそれが蘇民将来の説話では小さな輪になっていることも興味深いですし、むくむくと疑問が出てきます。

 そうしたことを皆でこれから勉強しながら、神社が中心となる何か古くて新しい形のコミュニティーが生まれるといいなと思うのです。

 8月には境内につくってもらった畑に植えた藍をつかっての染めのWSも企画しています。
 9月には氷川神社さんが積極的に進めている山車が、沢山の御神輿と一緒に赤坂、六本木界隈を練り歩きます。梅雨が明けたらいよいよ真夏ですね。
 http://www.hikawadashi.or.jp/


下記サイトは長野県上田市の八日堂のサイト。蘇民将来の謂れや、六画錐形の護符が有名です。蘇民将来符もいろいろあります。
http://museum.umic.ueda.nagano.jp/somin/category_top/e_index.html

******************************************

 

未(び) 旧暦六月
7月3日~(2008)
 「果実が熟れ、滋味を生じる月」