月の雫、菊の露の薬束


「薬束」とは端午の節供や、重陽の節供に作るとされる「薬玉」をもじってつけた名。
もりもり繁る草花の中からその時の自分にフィットしてくる旬の草花を摘んで、束ねる。
薬玉ほど造形的ではないけど、野に出て花を摘む行為そのものが薬となる。いつもの現実からちょっと外れて、自身を脱却出来る時間となる。そうしてそれぞれが手にした植物たち、偶然ではなく、この手の中にある。そしてそれは手のひらに収まらず、横溢していく。

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☝薬束、作っている様子は参加者の朋子さんに送っていただきました。

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☝今回作った薬束。ピンクの竜胆だけは花屋さんで購入したもの。その他鷹の羽芒、園芸品種の犬蓼、花虎の尾(花の後)、アベリア、ミモザ、トキワガマズミの青い実、猫じゃらし、イのコヅチ、ヤツデは世田谷ものづくり学校に生えているもの。水揚げから学びます。

http://setagaya-school.net/Event/11074/

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9月末の庭の一画。
芙蓉や花虎の尾が見える。手前の木は実生の山桑。

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芙蓉や芒、ミントなどが見える。

参加者のお一人朋子さんの写真より☟
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石田さんの菊花シロップ

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桜花の寒天寄せ
春の桜に対して秋の菊

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「実物」を束ねた作品。


学校園相方の石田さんは、花を摘んでいるうちに少し前に事故で亡くなったヨーガン・レールさんに手向ける花になったと言っていました。

皆の「今」にフィットしてくる植物がきっとあるのだと思います。
「誰がいい」とかいうのが無意味だとわかります。

東京では、草花を摘める場所というのは本当に有難くて、
それらの花が、各々の手元に集まってくる、そのことに偶然を越えた意味があります。
自分がつくった薬束につけてもらったタイトルにも現れていました。

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菊枕に因んだアイピロー 




ワークショップは、植物に触れ、植物に人が託して来た物語を知り、身体知を取り戻すことと、風土を感じることを大事にしています。