川向正人先生最終講義と退官記念パーティーの花

東京理科大を退官なさった川向正人先生の退官記念式典の会場装花です。
川向先生の大きなお仕事の一つに「オカムラ スペースデザイン”R”」があります。
毎年川向先生が建築家を指名し、他ジャンルの表現者と一緒に一夏のクリエイションを
紀尾井町ホテルニューオータニにあるオカムラのショールームにてインスタレーションするものです。2012年の第10回目に指名された建築家平田晃久氏からパートナーとしてご紹介いただき"Flow_er"というタイトルで作品を協働で作り上げました。

今回ご退官にあたり、先生からお声掛けいただきまして、川向研究室のOBOG、現役の学生さんたちとともに空間を作りました。

そして空間作りのもう一つの主役ケータリングは、Horo kitchenさんにお願いしました。


まずは記念最終講義のホールの装花です。
これは前日に学生さんや企画の鈴木亜生氏らと「めぐり花」で作りました。
僕は最初に朴の木を2本ほどいけただけ、あとはみんなが順番に生けてくれました。建築家の卵のみなさん、いいところにすっと入れてくれます。
この時期キャンパス内で香り立つ「姫泰山木」のひと枝も臥龍点睛、当日挿しました。

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パーティー会場の装花(東京理科大薬学部「みなも食堂」)
その名の通り、ガラスの向こうには水が張られた池があります。
ガラスの器で花菖蒲をメインに水を意識した花をいけました。
ベースは無造作な緑。夏の季語でもある「山滴(したた)る」から。
そこにこの時期に美しく綾なす三種類の花菖蒲の紫色と梅花空木の白を飛ばしています。

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HORO kitchenさんの透明感のあるグラフィカル・フードが花の自由な動きとマッチ。
花色とのコントラストもちょうどいいバランス。しかも美味しい。

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雪柳、細葉グミのワイルドな枝ぶりのものに白の鉄線と姫百合を合わせた吊り筧(掛樋)
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川向先生へのブーケはリッチな芍薬(ピオニー)をメインに。
お着物をお召しの奥様には芭蕉の葉で姫泰山木、鉄線、梅花空木の花束。
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真ん中が川向先生ご夫妻。
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仕事として花を活ける時には、お客様の文脈を大事にし、花の旬を考え、色や質感、情景をいろいろイメージしてみます。でも、花は生ものですから、注文通りの仕入れがかなわない場合もありますし、現場でやってみて、イメージ通り行かない場合もあります。一本一本皆違うので、予定はあるようでないようなものです。
そうした時、限られた時間でどうするのか。その場に臨んで発揮できる力を持っていたいと思っています。場所と素材に出会い、相互共振し、想像をいつも超えていくことが、花生けの醍醐味であり奥が深いところです。
花は遥か昔から「こころの形代」です。型や方法や技術を用いて、物語を伝えてゆくのが仕事です。作庭のダイナミズムと、一輪の投入れのダイナミズムは通じています。