三重 Y邸の外構意匠計画 その1 外まわり

雑誌をご覧いただき(小さい記事だったのに…)外構はとても大事だという思いの強いオーナーさんからのご依頼でした。遠方で施工会社とのやりとりに時間がかかりましたが、この冬に施工が終わりました。緑が美しい時期にようやく改めて挨拶に。。
高台の住宅地。風の通う庭は、ここで育っていく家族にたくさんのことを手渡してくれます。家の中からのさりげなく移ろう景色も、家へ帰った時、出る時、視界をよぎる緑や香りも、くつろぐ広いデッキも。
昆虫たちもやってきてキュウリやトマトが大きくなって、にぎやかな庭は笑顔を作り出してくれるでしょう。庭は少し寂しい時もそれを落とせる身近な場所だと思います。作庭は見えないものに触れる、「遠さ」を引き寄せる場を作る技術でもあるからです。

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↑正面の意匠

建物の位置も、カーポートも来客用のカースペースも必要で、区割りはいじることはできませんでした。大手ハウスメーカーさんの外構図をベースに組み立てました。

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作り手泣かせの螺旋の植栽枡。街へ突き出した場所を円の相で柔らかく。傍らにはベンチも作りました。メインの木は山法師。花は上向きに咲くので、花の季節には玄関を出たら目に入ります。
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建物の意匠に合わせながら、ずらしていく。
閉じたり開いたり、お茶の露地のように、身体の向きは導線に沿って変えられるため、
歩くたびに目に入る景色が変わる。

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ピンコロは方位を示しつつ、ジグザグしています。
矢印の意匠も坂道を下って出る時の遊びのデザインですが、先が尖っています。
いずれも昔ながらの考え方で一種の魔除け。

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スロープの上から。車の出入りで視界は塞がないように低めに設定しています。

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(表札もデザインさせていただきましたがお名前がわかってしまうのでぼかしてあります)

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門扉を開けて入ります。コンクリートの箱の中はちょっと別の世界になるように。
岩盤に立地する家なので、透過する水も意識できるアプローチ。

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階段もできるだけ軽く見えるように。。。階段の下は風が通るようにガレージ側にトンネルになっています。

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玄関前から振り返ったところ。ベンチが見えます。


設計意匠協力/図面製作:nicotofu 高橋健太郎
施工全般:住友林業緑化
設計意匠/:(有)温室 塚田有一




小さい頃から雑木林の中を走りまわっていました。その時の様々な感覚が、庭をつくる際の「根っこ」になっています。庭は、切り取られた自然だとしても、そこに生命が育まれ,生態系が生まれます。一瞬一瞬の美しさを感じ、その場所に佇んでいると、きっと何かが見つかると思います。

(有)温室では、主に個人邸を中心に、多くのお客様の庭作りとその後の管理を通して、自然が身近にあることで分かち合えるものを大事にしながらデザイン及び管理をしています。