緑蔭幻想詞華集(アンソロジー)vol.11「お盆」レポート

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満月の緑蔭幻想詞華集。第11回目のテーマは「お盆」でした。
夏は妖怪や怪談ほかもろもろでお忙しい東雅夫さん。7月の満月の晩はたまたま空いていますということでご一緒することができました。夏は諦めていたのですが、やはり「お盆」は東さんの世界に最もマッチします。東さんは「お盆」に因んで、泉鏡花の「縷紅新草」、小泉八雲の「盆踊り」、柳田國男の「清光館哀史」をピックアップして解説してくださいました。
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各季節の間に必ずある「土用」。その中でも「夏の土用」のみが「土用の鰻」などと言い残っています。この季節は特に暑さがピークに達し、湿度も高く、モノが腐りやすいし、気が枯れ(穢れ)病が起こりやすいため、それらを祓い清め辟邪する祇園祭を始め大きなお祭りも多いですね。夏越の祓え、七夕、お盆へと一連の行事が続きます。忌篭りをし養生しなくてはならない時期でお中元や暑中見舞いなどお互いに心身を気遣いする時期となります。五行の土は火と水、木と金を媒介するもの、死と再生を司るもの、あらゆる命を育むもの、、、祖霊の魂だけでなく、それは見えない様々な命に、今生きている我々の現在へ結びついている死者たちに想いを馳せる時期でもあると思います。塚田はそんなお話をさせていただきました。

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マドレーヌのおやつの後は、東さんの「縷紅新草」の朗読の中、物語としての花活けを始めます。泉鏡花といば草叢。草葉の陰。草の露。そんなイメージからつる性の植物を絡めて緑蔭幻想のはじまり。

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「縷紅新草」にはお墓まいりのシーンで提灯や灯籠が印象的に登場します。
これは緑の灯籠で、花が灯り。お盆の提灯のようにくるくると回ります。迎え火、送り火、お盆には道案内でもあり、記憶に残っている方も多いのではないでしょうか。魂の宿る印としての提灯や灯り。
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お盆で死者と弔い、思い出すこと、共感すること、それが供養になる。

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お祭りや行事など、季節ごとに同じパターンで、型を持って執り行われているもの。怪談など夏の風物詩となっているもの、物語や芸能の意味するところはそうやって私たちへとつながる命を思い、共感し、懐かしさやもののあわれを共有すること。それを今という時間、それぞれの時間に印付けていくこと。
マドレーヌにも、月にも、花にも、物語にも、命の螺旋が潜んでいます。

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柳の型染めの浴衣を着た東さんと。ぴったりなお召し物でした。
お盆に祈ること、大きなお祭りに参加すること、怪談などワンパターン(怪談なら四谷怪談、牡丹灯籠など)だけれども聞かずにいられない物語や「鬼灯市」などの風物詩に触れること、季節ごとの花をいけることで死者を弔うこと、実はそれによって慰められているのは生きている私たちなのだというお話が特に響きました。




ワークショップは、植物に触れ、植物に人が託して来た物語を知り、身体知を取り戻すことと、風土を感じることを大事にしています。