TERRAIN VAGUE vol.40「縁起物!申年の梅 赤い花と赤い食べもの」

TERRAIN VAGUE vol.40「縁起物!申年の梅 赤い花と赤い食べもの」にご参加くださった皆さん、ありがとうございました。

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赤い色のイメージは「活力」「激情」「喜悦」「誠心」「革命」「興奮」などがありますね。満腹で梅酒も入って、表も裏も赤く染まりました。

料理山研究所の山崎さんは赤い魔除けの人形である「さるぼぼ」で有名な飛騨高山の食材にこだわった申年の梅干しを効かせた赤いものづくしのお料理。温泉熱を利用したFRUSICさんのドラゴンフルーツや、山味屋さんの赤蕪甘酢着け、飛騨牛のローストビーフや飛騨豚のハンバーグ、亀山農園さんのリンゴジュース、飛騨高山舩坂酒造さんの梅酒などなど。高山の伝統的なお料理「楪子盛り(ちゃつもり)」風にしてお出しいただきました。「こしらえる」という言葉がぴったりの、素材への思いが正直な、美しさが宿る料理でした。
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花は既に秋の装いとなりました。
枝物は紅葉したナツハゼ(ツツジ科スノキ属;ブルーベリーの仲間)とガマズミ、両方とも赤い実をつけています。
花物は吾亦/ワレモコウ(バラ科「血を吸収する」という学名を持つ)、水引草(タデ科 紅白の花序を持つことから水引と呼ばれます)、オヤマボクチ(雄山火口)、白朮(オケラ);屠蘇散の主原料/八坂神社年末の朮(おけら)祭りが有名。ご神火をいただきます)、藤袴(中国では「蘭」と言い、端午の節供に使う)。鶏頭(ヒユ科/鶏のとさかに似る。学名セロシアはギリシア語で「燃焼」の意味を持つ)でした。
「花」は春の季語ですが、「花野」は秋の季語。
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赤いの水道管で作った器から試験管を下げて、
水の張った試験管はシャンデリアみたいに光を宿し。
花もまた光だと思います。

http://onshitsu.com/2016/08/01-125515.php




仕事として花を活ける時には、お客様の文脈を大事にし、花の旬を考え、色や質感、情景をいろいろイメージしてみます。でも、花は生ものですから、注文通りの仕入れがかなわない場合もありますし、現場でやってみて、イメージ通り行かない場合もあります。一本一本皆違うので、予定はあるようでないようなものです。
そうした時、限られた時間でどうするのか。その場に臨んで発揮できる力を持っていたいと思っています。場所と素材に出会い、相互共振し、想像をいつも超えていくことが、花生けの醍醐味であり奥が深いところです。
花は遥か昔から「こころの形代」です。型や方法や技術を用いて、物語を伝えてゆくのが仕事です。作庭のダイナミズムと、一輪の投入れのダイナミズムは通じています。