TERRAIN VAGUE vol.77『思いがけなく有効な身体の使い方と、それを助けるヒモトレ講座』甲野善紀先生

 77回目のTERRAIN VAGUEは70回に続いて甲野善紀先生の『思いがけなく有効な身体の使い方と、それを助けるヒモトレ講座』です。

 前回のお話では、若き甲野先生があらゆる宗教者に議論をふっかけ納得のいく答えを探し求めていたものの、結局はそうした人には出会えなかったことなどをお話くださいました。そのことが武道へと甲野さんを向かわる切っ掛けになったのではないかと思えました。
 また、これからの教育についても話は及び、義務教育への疑問が提示されました。学びについて、自ら問いを立て、自身を切り開いていく姿勢は甲野さんが体現されていることです。更に今この時代、人間がこの世に生み出してしまったものに対して、辛さや悲しみを背負って暗澹たる気持ちになったとしても、それを乗り越えてどう生きていくのかという問いを投げかけてくださいました。
 IMG_4843.jpg
トークの締めとして松葉舎主宰の物理学者・江本伸悟君との対話では「人間は納得したい生き物」ということについて、意見が交わされました。その納得にいつの間にか縛られていることがままあります。何かを得たと思ったら、それはすぐに手放す。手放さないと執着となって、心身を固くし、五感を覆ってしまうかもしれない、そんなことを感じました。

 その後の懇親会でも「料理山研究所」の山崎志保さんの風土色豊かな旬のお料理をみんなで楽しみながら、和やかな雰囲気の中で、甲野先生の魔法のような身体の動き、そのための型が披露され、次々とヒモが巻かれ、多くの方々がそれぞれ気づきを持ち帰っていただけたようです。
IMG_4867.jpg
 今回はタイトルの通り、ヒモトレ講座が主になります。甲野さんが探求なさってきた身体の使い方に対して、ヒモトレはそれをサポートしてくれる有効な方法とのこと、ぜひ体感をしてみてください。

==========================================
*日時
2017/7/15(土)
17時から19時
その後部屋を変えての懇親会。
 懇親会のケータリングは「料理山研究所」山崎志保さんです。
 http://yamazaki-shiho.com/about.php
*定員
30名
*講習費 3000円(当日精算)
 懇親会参加の方は1500円を別途ご用意ください。
 両方ご参加の方は4500円となりますので、お申し込み時に「懇親会参加希望」と一言添えてお申込み下さい。

*申し込み
問い合わせメールホームよりお申し込みください。
hikarionsitu@yahoo.co.jp

場所
東京都千代田区西神田2-4-1 東方学会本館三階33-2号室 温室
https://map.yahoo.co.jp/maps?ei=UTF-8&type=scroll&mode=map&lon=139.75484163&lat=35.69789079&p=東京都千代田区西神田2丁目4-1&z=16&layer=pa&v=3
※会場はイベント当日以外は一般に開放していませんので、ご注意ください。
==========================================
松聲会のサイト
http://www.shouseikan.com
kono-thumb.jpg
(写真;先崎寛子)
甲野先生プロフィール(上記サイトより転載)
合気道、鹿島神流、根岸流等を学んだ後、1978年松聲館道場を建て、武術稽古研究会を主宰して活動を始める。その後、武術・武道に限らず、さまざまな分野の人々と交流し、多くの教えを受け、また、古伝書を読み込むなどして、試行錯誤しつつ技と術理を研究し、それらを、講座や書籍で発表している。1999年頃から、その技と術理がスポーツ、楽器演奏などに応用されて成果が上がり、社会的関心が高くなったことで、より多くの世界と、より自由な対応をするため、また、武術の一研究者としての立場を明確にするため、2003年武術稽古研究会を解散する。以後、介護、工学、教育等の分野からも関心が高まり、2007年から3年間、神戸女学院大学の客員教授も務めた。

 現在、各地で主に武術に関する講座や講習会を行っている。
 さらに、2009年秋から数学者の森田真生氏と『この日の学校』を立ち上げ、各地で受験や資格を取るためではない学問そのものと向き合う講座を開いている。
 また、ニホンミツバチの農業利用を通して、より自然な農業と、生き方を模索する活動を始めている。




ワークショップは、植物に触れ、植物に人が託して来た物語を知り、身体知を取り戻すことと、風土を感じることを大事にしています。